春を感じた日

7日に用事があり電車に乗るべく駅に向かいホームを歩いているとまだお昼くらいなのに恐らく高校生くらいの子が沢山いて、こんな時間になんでこんなに学生さんがいるのか?と不思議に思っていたらある女の子が手に花束を持っていた。

「なるほど、今日卒業式なのか。」

確かに私が高校生の頃も公立の高校の卒業式って7日くらいだったな、と思い出した。

(因みにうちの高校の卒業式は1日だった)

 

そんな様子を見て自分の卒業式の記憶が蘇ってきた。

高校の卒業式の日は心の底から嬉しかったのを今でも鮮明に覚えている。

ああ、毎日教室で空気になるべく腰を丸めて顔を机に当てなくていいんだ、毎日同じグループの子達の顔色を伺ってわざと明るいふりをしなくてもいいんだ。

全てから解放された、そして春からは夢見ていたキャンパスライフが待っているんだとまさに希望に満ちていた。(実は春以降も結構ハードな未来が待っているんだよと伝えてあげたいけれども伝えてしまったらそれはそれで残酷だからしませんけど)

卒業式後は同じグループの子達はご飯に行こう!と盛り上がっていたのだがそれをやんわりかわしてこの子がいたから3年間何とか学校に通えたと言っても過言ではないたった1人の大切な友達とご飯に行った。

その子とは普段から放課後週に1日はカラオケかご飯に行っていたのだけれどこの日のご飯は特別だったのを覚えている。

そして有難いことにその後から現在も連絡を取り合ったり結婚式に呼んでもらったりしているのだけれど毎回毎回「お肉さんとは卒業したら絶対連絡とかしてくれないと思ってたよ!」と勝手に私が大学の友達と仲良くなりリア充生活を送り始めた為音信不通になると断言されるので「いやいや少なくともあなたの方からこそ連絡来なくなると思っていたし残念ながら夢見たキャンパスライフ送れてないから」と心で突っ込んでいる。

とにかくあの日の初めて澄んだ空気を吸えた記憶は印象深い。

 

そして中学の卒業式はとにかく実感が無く、ただただ楽しいなぁという思いしかなかった。

式の最中も隣にいた子とコソコソどうでもいい事を話してクスクス笑っていたし

(※校長先生と後輩からの話はきちんと聞きましょう)

終わって部活の後輩の子から

「先輩卒業するとかふざけんなよ〜〜」

と言われながら花を貰ったり(当時から年下からもこんな感じで扱われていた)

部活の友達やいつメン(元)とキャッキャしてあっという間に終わり、その後は部活ごとにご飯などに行くという感じだったのでみんなでご飯に行って卒業後というよりいつもの部活中と同じような感じで過ごした。

いつメン(元)のみんなは全員違う部活なのでここだけ見るともうなかなか会えないのかなと思われそうだけれど普通に卒業式の翌日いつも行くメンバーの家に行く予定が入っていたしその3日後はみんなで原宿に行くことになっていたのでつまりは学生生活時代となんら変わりがなかったのだ。

(この後こそ入学2日目からいきなり仲良くなった子から無視されたりと一番地獄の3年間が待っているんだよとヘラヘラしていた自分に言ってやりたかった)

その後もみんな勿論同じ地元に住んでいるから高校に入ってからも頻繁に会っていたし今思うと高校の中では1人の友達のおかげで、学校外で中学の友達と笑えていたから毎日何とか生きて行けたんだなと感じる。

 

さて7日の日に戻るが電車に乗りその後お店に行って試着室で試着をしていたらカーテンの外から恐らく学生さんかな?という2人の女の子の会話が聞こえてきた。

Aちゃん「えー!これめっちゃ似合うよ!やばいやばい似合うって!買おう買おう!!私が払うからさ!」

Bちゃん「えー?笑」

Aちゃん「いや買わなきゃダメだって!そんでお揃いにしよ!」

Bちゃん「お揃い〜?笑」

Aちゃん「うん!!それでうちに来てってか住もう!!!」

Bちゃん「笑」

Aちゃん「だって私春から大学行くから引っ越すからBちゃんと会えなくなるし来てよ〜。てかてかむしろ住も?!Bちゃんとは卒業してもずっと一緒にいたいんだよー!」

 

この会話を聞いて、未だかつて卒業してもずっと一緒にいたいなんて言われたことが無かったし一緒に住みたいなんて思えるくらいの友達なんていたことがあっただろうか?と思ったと同時にお互いが本当に離れたくないんだという2人の気持ちが伝わってきて泣きそうになってしまった。

どうか2人が大人になってもずっとずっと大切な友達でいてくれますように、と部外者オブ部外者の高齢BBAは勝手ながら密かに強く願わせてもらった。

 

卒業式の雰囲気って何だか特別で普段より笑顔の子が多かった気がする。そんな雰囲気の中にいた自分も何故だか幸せな感じを抱いていた。

「卒業」という節目を悲しむ子もいれば勿論心の底から喜ぶ子もいるだろう。

どっちの想いも抱いている子、そして卒業を迎えた全ての子に心からおめでとう、そして春から明るい新しい門出が待っている事を願ったそんな1日だった。