インターネットの世界への入り口

私がインターネットの世界に入ったのは高校2、 3年生くらいの時だった。

それまではメールと時々通話しか使っていなかったから最初はよくわからなかった。

一番初めに使ったのはファンだったアーティストの友達募集の掲示板だった。

色々な人が募集をしていて、学校の中でしか友達が居なかった私にとって異世界のように感じた。そして何人かと連絡を取るようになり、仲良くなって手紙のやりとりもするようになった子もいた。

また、しばらくやり取りをしていた子と会う事になった時もあった。

そんな経験は勿論全く無かったから最初は少し怖かったけど、同じ歳という事もあって会ったらとても明るくていい子だったから安心して話せた。ライブにも誘われたけど丁度受験の時期だったので私はちょっと難しく、受験が終わったら一緒に行こうねと約束した(因みにその子は就職先が既に決まっていた)

もう1人とても仲良くなった子とは離れた所に住んでいたけれど、東京での公演に一緒に行く事になって初めて実際に会えました。

電話もしょっちゅうしていたので会話も自然に出来てとても盛り上がった。

他にも知り合った子はいたけれど最終的にはこの2人の子と長く付き合っていた。

(片方の子とはやり取りはほぼ無いけれど今も連絡先は知っている)

 

そしてそこからまた違う世界にも入っていった。それがメンタルヘルスというジャンルだった。

その頃は自分には全く病識も病気でも無かったのできっかけははっきりと覚えていないのだけれどある人のHPを知り、そこのBBS(わからない人はググってみてね⭐︎)に勇気を出して書き込みをしたのが始まりだった。

そこで長文のやり取りをしたり、その子の日記を読んだりした。

その子の日記は本当に文才を感じられて、でも笑える文章でこんな風に書けるようになりたいなとも思った。

そしてそのBBSでおすすめの人として南条あやさんとCoccoというアーティストを教えて貰った。あやさんはHPもある上に本も出されていると教えてもらい、早速本を買い読んでみたらまるでその教えてくれた子のような読みやすく、そしてクスッっと笑えたり心から心配したりするような文章だった。すぐにファンになった。

そしてこの方と話してみたいと強く思った。すると最後の日記の後、彼女が亡くなっていることが記載されていた。

まだ18歳という若さでこの世を去っていった事にも驚いたし、残された人々の気持ちを考えると計り知れない想いになった。

その後彼女のHPに行くと追悼掲示板などがあり、沢山の方に愛されていたんだなと改めて思った。

そしてその方が好きだったアーティストがCoccoだった。

教えてくれた子もきっとこの方がきっかけで好きになったのかもしれないなと思った。

そんなきっかけで私はメンタルヘルスの世界に入っていった。(私自身も高校を卒業後精神的に良くなくなっていっていたのもある)

因みにその色々教えてくれた初めてお話した子は不眠症を抱えていて、クラスになかなか馴染めないでいた。

(1人仲が良かった子がいたらしいけれど、学校を辞めてしまったらしい)

だからこのHPが大事な居場所だとよく言っていた。

こんな私とも沢山話してくれて、辛い時にはメールをくれたりした。

ただ、その頃の私には彼女の辛さを理解することがなかなか出来なかった。

例えば「今日ね、また好きでもなんでもないクラスの男子と寝ちゃったんだ」という内容を話してくれたんだけど、まず何故その男子と寝たのかがわからなかったし何の経験も無い私には寝るという行為すらよくわかってなかった。

それでも返信はしたけれど、今思えば本当に彼女が励まされる様な内容だったのかと思っている。(内容は覚えていないけれど)

そんな風に深い話をしたりして、彼女の学校の文化祭に誘われたこともあった。

私が丁度用事が入っていて結局行く事は出来なかったけれど、もし行っていたら今も何かしらの形で繋がっていたんじゃないかなと思っている。

そして彼女は無事に大学に進学し、幸せな毎日を過ごしている様だった。

ただその後は連絡も途絶えて今は何をしているかはわからない。

どうか変わらず幸せな毎日を過ごして欲しいと今も願っている。

そしてもう1人彼女を通して仲良くなった人がいて、その方も日記を書いていて日常を見させて貰っていた。

その方は私より年上で病気のため働けないでいた。

それでも趣味の楽器演奏をしたり素敵な彼氏さんと毎日を過ごしている様子が伺えた。

勿論辛そうな時も沢山あって、その度にBBSで話を聞いたりしていた。

そんな日記の中で親から

「もう◯◯はお金や仕事の心配をしなくていいよ。◯◯1人をこれから生涯育てていけるくらいのお金はあるから」

と言ってくれたと書かれていた。

その文章を読んだ私は良かったね、としか思わなかった。

しかし今ならその言葉がどれだけ凄い意味なのかがわかる。

一生仕事をしなくてもお金を貰って、払ってもらって生きていけるという意味なのだから。

今の私が読んでいたら勿論心から良かったねとは思うけれど、同時に正直心底羨ましいと思う。お金のことで親からほぼ縁を切られ、常にうちにはお金がないお金がないと父はぼやき、その雰囲気にどうすることも出来ない母は耐えるしかない。そんな"お金があれば普通の暮らしが出来ていた"毎日を送っていたのだから。

全ては私のせいでかかったお金のせいなのだから。

ただその彼女に対して憎んだりする気持ちは無い。多少羨ましいなとは思うけれど病気で苦しんでいたことは事実だったし、もしかしたら彼女は彼女なりに悩みもあったかもしれない。そんな中でも生きていたから。

今は連絡先も交換しなかったのでどうしているかはわからないけれど、もう1人の子と同様少しでも生きやすく過ごしていて欲しいと願っている。

 

そんな感じでインターネットの世界にどっぷりとハマり、その代償として毎月の携帯代金が2万超えてしまったのであった。

まぁその代償は高校生にとっては痛かったけれど(バイト代ほぼ携帯代に飛んでたし)

そのおかげで現実だけを生きていたら絶対に出会わない様な人と沢山出会う事が出来て今に至っているのだから。

出会う形はその時代時代で変わっているけれど、どんな形であれ所詮ネットで出会った人でしょ?と思ったことは一度もない。むしろ現実の友達より深い仲になった子もいた。

今はすっかりX(やっぱり未だにTwitterに慣れすぎて違和感しかない)が主流になっているけれど、ここで出会えた方々とも現実の友達と同じくらいこれからも交流していきたいと思っておりますのでどうか宜しくお願いします。

…なんか最後宣伝?みたくなっちゃったな。笑

 

そんな私のインターネット歴でした。