隣の芝は一生青い

以前あるテレビ番組で「食べ物のそこだけ食べたい選手権」という企画があり、その中で某チェーン店のチキンの肉部分ではなく皮の部分だけを食べたいという意見が出た。

確かにあのパリパリした部分だけを食べるのはなかなかに幸福感を味わえそうだなぁとテレビを見ながら思っていた。

そして後日その意見を受けてその某チェーン店から特別に皮だけの商品が出てきたのだ。

本人達は歓喜の嵐だった。だがしかし食べ始めてしばらくすると「やっぱり肉の部分も必要だね…」という結果に至ったのだ。

自分の願望が実現したのにいざそれを体験するとその願望に期待しすぎていたんだなと残念な気持ちになったのであろう。

 

これを見て人生もこんな感じなんじゃないのかなと思った。

幸せそうな旦那さんと子供に恵まれて毎日を過ごす主婦になった友人を見て羨ましいなーと思っても実際自分が友人の立場になったらきっと毎日やりたくもない家事をやり、子供中心の生活を送り旦那さんとはたまには喧嘩もするだろう。果たしてそれは自分にとって幸せなのだろうか。だからといって今の病気と共に生きている自分を幸せだなんて1回も思ったことは無いけれども中には病気になったからこそ初めて得たものや周囲の人からの優しさを感じて人生捨てたもんじゃないなと感じている人もいるかもしれない。

きっとどちらも得てみないとわからないのだろう。そしてそれを得るとまた違う人生を歩んでいる人を羨む。

これは人間にしかない特性なのだろうか。

だとしたら随分と厄介な特性だなぁと思ってしまう。